暮らしの道具とワタシ

甘露煮リズムが聴こえる日

また今年も梅の季節がやってきた。ママ友から「梅、いらない?」と連絡をもらった。

去年、長男は友達の家で自家製の梅ジュースを飲ませてもらったらしい。そして「なんで僕の家には梅ジュースがないの?」と口をとがらせていた。

シロップのリズム

元々、料理や季節の手仕事は好きなほうだけど、こう毎日、仕事や家のことに追われていると、好きなことさえもやりたくないなぁと思うときがある。

気分が乗れば、後まわしにしがちなこともスイスイスーイと片付くけれど、この春から小学生になった長男。

習い事も増え、ガラッと環境が変わって、まだリズムを掴めずに日常に追われる毎日。

せっかくもらった梅だけど、3.4日も放置すれば日ごとに芳しい香りを放ちだす。

「早くやらないと」という焦り。息子たちはというと、目の前の梅が、ごく当たり前に梅ジュースへ変身を遂げるものだと思っている。

子どもたちの期待に満ちた目を見ていると「やるか」と重い腰をあげるしかない。

好きな音楽を聴きながらとかなら、もう少しやる気になれるかもしれないけれど、リビングで戦いごっこをはじめる兄弟。

テーブルの上こそが戦いの舞台。カーペットはゆがみ、クッションも飛び交う。

ペットのインコ2羽もずっと鳴いて応戦している。やかましいリビング。

きっと目の前に梅がなかったら、ひどいBGMにワタシはまた、わめき倒しているに違いないけれど、大声を張り上げたところで、戦いに夢中な彼らの耳には私の怒鳴り声は届かない。

しばらく大荒れのリビングを眺めたあと、私は私の時間を楽しもうかな、と思い梅のあく抜きをして、甘露煮を作ることにした。

シロップのリズム

半ばやっつけ仕事ではあったけれど、じっくりゆっくり丁寧に、コトコト煮込むことに集中すると、少しだけ気分が晴れるから不思議。

お鍋の中で煮込んだシロップがぷくっと膨れては消えるリズム。

それはまるで、キャンドルの炎や川を流れる水の音などと同じような、癒しのリズム。

そんな独特なリズムに乗りながら梅をじっと見つめていると、さっきまでのモヤモヤした気分が落ち着いてきた。

モヤモヤでごちゃごちゃした頭の中がふわっと軽くなると、鼻から入る空気も新鮮なこと!気分が転換される。これがほんとの気分転換♪

シロップのリズム

出来上がった梅の甘露煮は実とシロップにソーダを注いで。私の怒鳴り声は聞こえなくとも、ソーダのボトルを開けるプシューッという音は聞こえるらしく、戦いのあとの息子たちの喉を潤すには最高だったよう。

気づけば、氷砂糖で漬ける梅ジュースよりも手間がかかっているではないか!

お疲れ、私。

不自由な女神 ヒラリー

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